よくわからん

昨日の毒タリウムプリズムの撮影はこのレンズによります。
???


よくわからんソ連レンズ。
ベラルーシの人から US$30 で買ったんですが。
5群で8枚くさいってのはコバからわかります。
それ以外がさっぱり。
どういう使い方をしても、画が暴れてしまって。
開口数 A が入っているって事は、近接の有限距離結像光学系だろうとは思うんですけど。
マルチコートで、ここまで作りこんでいるのに、なぜこんなに像が腐るんだ?
金属モノとか絶対撮っちゃダメ。像が湾曲してるのとひどい球面収差とコマと軸上色収差がバレちゃう。
ザイデル収差の見本市かと。


しかし、にくめないんですよね。
どうしようもない収差のオンパレードなんですけどね。
なぜだろう?
絞りもありません。もちろんフォーカシングヘリコイドもありません。
レンズブロックのみです。
しかも写らない、と。


バカな子ほどかわいいといいます。ここまで盛大に収差が出ると、楽しいです。


収差というのは、画の雰囲気というか、空気みたいのを演出してくれるのかもしれません。
つまるところエフェクトです。コントロールが難しいところにみんなが傾倒するのかも。


写真は真実を写すわけではない。みんなそういいます。
半分は真ですが、半分は偽です。
理想像ってのはあって、これは物理的には真実に最も近い像です。
いわゆる「無収差」というものです。
プリンちゃんなんかは、設計の基準ではかなり理想に近いのでしょう。
ただし、これはあくまでも理想。大なり小なりずれる場合がほとんど。
これが多いと「写らないレンズ」であり、「味のあるレンズ」と表現もされるんですが。


人間の心は必ずしも真実を必要としていません。
検出器が人間だから認められるレンズの収差ってのは面白いですね。
球面収差の補正状況ってのはわかりやすいです。
最近になって、顕微鏡高倍率対物レンズのオフフォーカスの軸上色収差ってのも、使い方によっては面白いよね、と思ってたりもします。