結晶の写真

白金

貴金属元素の結晶祭り、白金でラストです。 日本人は、装飾品としての白金が大好きで、これはおそらくブランド好きに通じるものがあるのではなかろうかと。 アフリカとロシアで産出量が多いんですが、使うのは日本人とアメリカ人。 パラジウムと区別は難しい…

この山吹色に皆が狂わされる。 越後屋、お主もなかなかのワルよのう! by 悪代官 代表的な貴金属として、おなじみの金ですが、自形の結晶を見たことのある人はすごく少ないと思います。 ましてや、エッジの立った、キトキトの結晶は。 こいつもイワンが作っ…

オスミウム

金属オスミウムの貫入三連双晶です。やっとイタリアから到着しました。 蒼く、エッジの鋭い、美しい金属結晶。条線が素敵♪ この三連双晶を上から見ると、こんな感じです。 切妻屋根みたいな上末端を持った四角柱状の結晶が三つ巴で三連双晶を形成し、断面は…

フォーマットの自由

細長いフォーマットなら、結晶のアスペクト比を表現できるぞ!と思ったんですが ちっともそうではなかったのです。 結晶も悪いし。

臭素

この間話題に出てきた臭素です。低温で結晶化させてみました。正確には昇華です。 −7℃で結晶化する、室温では黒褐色の液体の元素です。 蒸気圧もかなり高くて、室温でもモウモウと茶色いガスが出てきます。 んでもって、すごく臭いの。さすが臭素っていうだ…

アートとしての偏光顕微鏡写真

秋山実氏の写真集をようやく買い求めました。絶版なんですけど。 定価8800円のものがアマゾンで1円でした。すごいな1円かよ。ミクロ・アート作者: 秋山実出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1992/02/01メディア: ペーパーバック購入: 1人 クリック:…

ヨウ素

上で出てきたヨウ素結晶(昇華成長)。 憎めない劇物。でもレンズが腐る。 レンズは LOMO Mikroplanar 40mm です。アルミだからよけい腐る?

アルマンディン

鉄礬柘榴石(Almandine) Fe3Al2(SiO4)3, cubic 代表的なガーネットです。ペグマタイト性で、長石の上に乗っかってきます。

2酸化チタンの3多形

ルチル(rutile, 金紅石) アナテース(anatase, 鋭錐石、アナターゼ) ブルッカイト(brookite, 板チタン石) 晶出時のチタン濃度、温度、圧力、pH などのわずかな条件によって、二酸化チタンはいろいろな結晶構造を取ります。 まったく同時に、二つの多形…

ビスマス(蒼鉛)

ビスマス結晶作りのプロフェッショナルの方にお会いして、素晴らしいビスマス結晶を多数借りてきました。 この場をお借りしてお礼申し上げます。 まさか、自分の後輩だとは思いもよりませんでしたよ。 ちっと手探りでジャブを打ってみました。 一日考えて、…

蒼鉛

このアングルで外形出し、この面の出しで、無影か灰地に白スポットでGo。 人間は他の生物を擬人化したり、他人の肖像に感情移入することができます。 こころの平穏化を欲することが原因だと思うのですが。 なので、人物写真では比較的容易に写真に語らせる…

依頼の仕事の写真を撮ってます。 こういうの、えらく難しいんですよね。 一番難しい被写体は、無色で透明度が高くて表面が円滑な結晶です。水晶とか。 乙女の水晶の単結晶とか、ケント紙を何枚も立ててライティングの様子を調べないと、まともに写りません。…

すぴねる

磁鉄鉱 (magnetite) 三度目の掃除機。 東大でウルトラマイクロにっコールをみて、遊んでいます。

星降る夜に

やけにフラクタルな堆積物。 フラスコを浮遊する小宇宙。 塩化アンモニウムの熱飽和水溶液は過飽和になりやすく、放置すると人肌程度に温度が下がってから、樹枝状の結晶がバラバラ降ってきます。 雪が降るみたいで楽しいんですよ。 微細な結晶核が巻き上げ…

酸化亜鉛 ポーランドの精錬所の煙突の昇華物だって話です。 左側の結晶で、hexagonal だってのがおわかりいただけるかと。(hex., P63mc) おまけ(トリシラン誘導体) まだ構造解析していませんが、どうみても triclinic ですね。 とりくりすき♪ 写真の好みと…

古い標本ふたつ

真珠雲母 (margarite)木浦鉱山ナバガサコ 550m坑。 ありそうでないもの。ナバガサコのマーガライトの良品。 いつでも手に入ると思うと、そうでもないよという見本。 クリーニング前でゴメンナサイ。これも20年も前の標本です。 キレート剤でさっくり鉄を抜…

さらに試行中

CZM、コントラストが高すぎてもダメで、低すぎてもダメなようです。 作例は瀬戸田の斜開銅鉱 (clinoclase) を Luminar 25mm orange dot で7倍で20枚ほど撮り、CZM で重ねたものなんですが 下のクリソコーラのエッジのコントラストが低くて、非合焦として…

Andradite(灰鉄ざくろ石)

和賀仙人鉱山産。新遠平鉱床の露頭に転がってますが、小さいので見向きもされないようです。 くすんだ茶色−黄色系で、羊羹みたいでかわいいんですね。 下は赤鉄鉱のダマがあって、間を繊維状の角閃石が埋めています。 ここは、スカルンと熱水と両方あって、…

アタカマ石

あたかも、あたかま。 ねもとはクリソコーラなのに、あたまからあたかま。 そんな鉱物、あたかもしれない。あたかま? チリ、アタカマ砂漠名産品の銅鉱物、アタカマ石。 日本だと、山陰とか、ひょっこりひょうたん島とか、屋久とかでしょうか。 単純な組成だ…

瑠璃(るり)

Badakhshan, Afghanistan もう一回撮り直しました。瑠璃(lazurite)です。 ラピス・ラズリ (lapis lazuri)というほうが通りがよいでしょうか。 とても古くから知られた鉱物ですが、産出は世界的にも限られ、アフガニスタン、チリ、ロシアなどで知られます。…

欠陥と結晶

左水晶の柱面に出現した蝕像 x2, Nikon Macro Nikkor 65mm F4.5/Multiphot/D3 一見、完璧に見える水晶においても、しばしば結晶面にこのような模様が見られることがあります。 これは蝕像といい、結晶成長後に熱水によって水晶がわずかに溶かされた模様。 よ…

柔軟なヤツ

おまえ、やるきないだろ?

針の山

ドライアイス−アセトンバスを断熱のいいデュワーのなかに放り込んで、半日もすると空気中の水分が結晶化します。 こんなかんじ。すごくハリハリになります*1。 どうみても hexagonal に見えないんですけど。 枝分かれもしますが、通常の氷のように 60度で交…

水晶の左右

10cmくらいのガマ(晶洞)から出た水晶を無作為抽出してみます。 右水晶 左水晶 こんな感じで右と左が1:1で出現します。 どの面で、左右を見分けてるか、わかりますよね。 自然発生した鏡像性(キラリティー、不斉)は、完全に左右が等価の関係にありま…

水晶の右と左

PN105mm(f = 11)/PB-4/D3 二酸化ケイ素の結晶である水晶は、奇妙なことに鏡像が存在します。 普通の無機化合物は右でもなければ左でもない結晶を形成することが多いんですが、水晶はヘンテコなヤツで、左右があるのです。 右手と左手の関係と同じく、互いに…

ゴールデンウィークの収穫物

小さなガマを開けて、いくつか拾ってきたものです。 これが鐵蕎麦の写りです。 まったりとした低いコントラスト。完全に開いても暗く、低倍率ではピント位置が異常につかみづらいのです。 プリンちゃんならこのライティングではダイナミックレンジの極端に深…

あなむし

さて、そろそろ第一回穴虫の砂鉱写真コンテストでもしますか? わたしの写真。 題「青い三角定規」 正統派図鑑写真。 今まで、穴虫のサファイアにこだわって写真を撮った人っているのかしら? つゆねこさんが、他の鉱物について解説してくださってます。 す…

今日のアメーバくん

今日は、葉っぱな気分なんですって。 君らはホントに毎日毎日、変化するねぇ。 室温で勝手に昇華して、そのときの温度と蒸気圧の兼ね合いで人知れずヘンテコな花を咲かせています。 まことに能天気。 葉っぱで思い出しましたが、最近の大学生の麻薬汚染問題…

単斜硫黄再来

再チャレンジ。転移する3分前。シュリーレン現象で根っこの方がユラユラと愛はかげろうっぽくなってます。 スピード勝負なので、なじんだ撮影装置とレンズじゃないと撮れません。使い勝手はまことに重要。 Macro nikkor 12cm F6.3 (ap = 3)/Multiphot/D3 前…

単斜硫黄

Nikon Macro Nikkor 12cm F6.3/Multiphot/D3 硫黄の単体は、性質としては無機化合物よりはむしろ有機化合物に近いものがあり、有機溶媒にそこそこ溶けます。 室温では二硫化炭素が一番溶解度が高い溶媒なんですが、炭化水素系の溶媒でも熱時再結晶ができます…